
沖縄のホテル「ホルトノキ ホテル&トロピカルガーデン」様とヨロコビtoギャラリーのコラボにより実現した「アーティストインレジデンス」も、今回で4回⽬を迎えました。
1〜3⽉までの間で約2か⽉間、1名の作家がホテルに滞在し制作を⾏い、その後1年間、ホテル併設のレストランにて作品を展⽰するという企画です。
今回は、作家・真鍋由伽⼦さんを受け⼊れてくださったホテル「ホルトノキ」オーナー滝本孝⼀さんにお話を伺いました。

-4回⽬を迎えて、アーティストインレジデンスについてどのように感じておられますか?
もう年中⾏事みたいな感じになっています。新しい⽅が来られるのは私たち夫婦にとっても刺激になって楽しいことですし、いらっしゃるのは皆さん個性豊かで才能ある⽅ばかりです。そういう⽅々と知り合えることは嬉しいですね。

滝本さんの奥様の紀⼦さんと画材について話す真鍋さん
-真鍋さんの印象は?どのような交流をされましたか?
真鍋さんは⾃分をしっかりお持ちで、安⼼してお付き合いできる⼤⼈の⽅ですね。 好奇⼼旺盛で活動的な⽅で、到着された⽇からすぐレンタカーを⼿配をされて、いろんなところに出かけられていました。
真鍋さんとは⼀緒に⾷事やお酒を楽しんだりしました。うちのアーティストインレジデンスの“うまみ”の⼀つは、ホテルで余った⾷材を無料で⾷べてもらえるところ(笑)。私はフードロス撲滅キャンペーンを個⼈的に展開しているので、そういう点でも意義があるかなと思っています。
制作ついてはこちらから⼲渉せず、彼⼥⾃⾝の⾃然な受け取り⽅にバイアスをかけることや、⽅向性を意図的に変えてしまうようなことは避けたいと思っています。滞在中は真鍋さんの絵を1枚も⾒ていないんですよ。ホテルのご⾃⾝の部屋の中で描いていると思いますが、鶴の恩返しのように「襖は開けちゃいけません」という感じで、最後に⾒られれば⼗分だと思っています。
その代わり、沖縄のおすすめの場所や催し物の情報はお伝えました。海洋博物園の公園や熱帯ドリームセンター、世界遺産のやんばるの森が見られる⾮常に綺麗なスポットなどをご紹介しましたし、ちょうど開催されていたやんばるアートフェスティバルにも⾏かれたようです。


-今回、真鍋由伽⼦さんを選出していただいた理由は?
滞在中は1~3ヶ⽉間、同じ空間を共有することになるので、まず「⼀緒に過ごしやすい⽅」という条件で、社会⽣活をきちんと送れる⼤⼈の⽅をヨロコビtoさんからご紹介いただきました。その上で作品を拝⾒して、興味が湧いた⽅に来ていただいています。
また、これまでの作家さんは油画や⽔彩画でしたが、真鍋さんは⽇本画や版画に取り組んでおられる。表現技法がこれまでと違う点も選んだ理由の⼀つです。

-滝本さんは滞在制作に向いている作家とはどんな⽅だと思いますか?
好奇⼼旺盛でアクティブな⽅だと思います。沖縄は遠⽅なので、部屋にこもって制作するだけではロケーションを変える意味がありません。新しいものを⾒て、聞いて、体験して、⾃分の中で吸収し、アウトプットできる⽅が向いているのかなと思います。これまで滞在いただいた作家さんもそうでしたし、真鍋さんもまさにそういう⽅です。


-滞在制作は作家にとってどのような意味があると思いますか。
⼈はいろんな経験を積み重ねてできていくので、ここでの滞在も必ず影響はあるはずです。ただ、それが必ずしも顕在化するとは限らない。内側に蓄積されて、10年経ってからぽっと表れることもあるでしょう。⻑い⽬で⾒れば、沖縄の⾵⼟や⼈との出会いが作品ににじみ出てくることは間違いないと考えています。だからこそ、昔から滞在制作が⾏われてきたのだと思います。

-毎年、作家を好条件で受け⼊れていただいきありがとうございます。
最後に、作家の滞在制作が滝本様ご夫婦にとってもプラスになっていることはありますか?
はい。もともとこの事業はガツガツやろうというものではなく、⾃分たちの⽣活を続けながら、これまで知り合えなかった⽅と出会い、⽇々楽しく過ごせればという思いで続けています。私も妻も⼈と会うのが好きなので、毎年才能ある⽅と知り合いになれて、その作品をホテルのレストランに展⽰でき、多くの⽅にご覧いただけるのはとても良いことだと思っています。
